2020年は日本人初の最多勝利のタイトルを獲得し、サイ・ヤング賞投票でも2位にランクインしたダルビッシュ有。
2021年は前半16登板で防御率2.44という好成績を残したが、怪我の影響もあり後半14登板では防御率6.65と振るわなかった。
では、2022年シーズンは再び復活することが出来るのだろうか。
2021年の振り返り
2021年のスタートは絶好調だった。
6月にMLB史上最速で1500奪三振を達成するなど、7月までに7勝をあげ、オールスターゲームにも選出されていた。
しかし、7月に股関節を痛めてから明らかに成績を落とした。その後も腰や股関節を負傷し、後半戦は自己ワーストとなる7連敗を喫するなど、ダルビッシュ本来の投球が出来なかった。
ダルビッシュ本人は「フォームを微調整しながら、ごまかしながら投げていた」と述べており、満身創痍でプレーしていたことが伺える。
続いて、ダルビッシュの具体的な投球内容を見ていく。
被本塁打が増えた
まず以下のデータを見てほしい。
上の表を見ると、奪三振率が減少し9イニング当たりの奪三振数が10.8個となっているが、この数字はMLB全体で見ると悪い数字ではなく、1イニング当たり三振を1個以上奪っているということだ。
奪三振率の減少より気になるのが9イニング当たりの被本塁打数で、最多勝を獲得した2020年に比べて2021年の被本塁打数は明らかに増えている。そして、ゴロを打たせる確率が年々減少していき、フライを打たせる確率が上昇している。
また、2021年は投球の34%を占めるカッターを被打率.340、長打率.624と大きく打ち込まれた。2020年はカッターの被打率.255、長打率.398であったことを考慮するとその差は歴然だ。
以上の投球内容の変化はダルビッシュが意図的に変更したと考えることもできるが、これほど被本塁打が増え、得意のカッターを打ち込まれるというのは気がかりだ。
やはり、年齢や怪我の影響が大きいのだろうか。
2022年の展望
今年8月で36歳となるダルビッシュの最も懸念すべき点は健康面だ。
怪我は勿論だが、スタミナなど体力面も衰えてくる年齢だ。実際、2021年の平均投球イニングは5.5イニングで6回を投げ切れていないため、2022年シーズンもこれ以上を期待することはできない。
一方、奪三振率は未だ高水準をキープしており期待が持てる。
また、パドレス首脳陣はダルビッシュに対し投球面だけでなく、経験・実績をもつベテラン投手として投手陣の柱として期待している。
2021年はダルビッシュが好調を維持していた前半戦はパドレスも上位争いに食い込んでいたが、ダルビッシュが調子を崩した後半戦はチームも大失速し、ラスト28試合で21敗を喫した。
つまり、パドレスがポストシーズンに進出するにはダルビッシュの活躍が不可欠と言える。
2022年のダルビッシュに注目だ。