最近のMLBでは有望な若手選手と多額の長期契約を結ぶ球団が増えている。
例えば、サンディエゴ・パドレスはフェルナンド・タティスJr遊撃手と14年総額3憶40000万ドル、タンパベイ・レイズはMLBで70試合しか出場していないワンダー・フランコ遊撃手と11年総額1億8200万ドルで契約を結んだ。
次に大型契約を結ぶ可能性が高いのは、トロント・ブルージェイズ所属のブラディミール・ゲレーロJrだ。
この記事では、ゲレーロJrがブルージェイズと長期契約を結ぶのか、そして懸念すべき点を考察していく。
ゲレーロJrについて
まず、ゲレーロJrについてザっと紹介する。(知っている人は読み飛ばしてOK!)
ゲレーロJrは2019年にMLBデビューし、その後はコンスタントに成績を残していたが、2021年シーズンの大活躍により、一躍MLBトッププレイヤーの仲間入りを果たした。
2021年は161試合に出場し、打率.311、48本塁打、OPS1.002という驚異的な成績を残し、自身初の本塁打王を獲得した。
未だ23歳という若さ故、今後10年以上MLBを引っ張る存在として期待されている。
また、父のブラディミール・ゲレーロ・シニアもMLBで大活躍したスター選手であり、親子揃ってアメリカ野球殿堂入りするのではないかと注目を集めている。
ブルージェイズと長期契約を結ぶ?
さて、ゲレーロJrはブルージェイズと長期契約を結ぶのか。
契約延長を急いでいない理由
現時点では、ブルージェイズ側からゲレーロJrに対して長期契約のオファーが提示されていないとのことなので、ロックアウト終了後に何らかの動きがある可能性はある。
ただ、ブルージェイズはそれほど急ぐ必要はない。
なぜなら、ゲレーロJrは2025年シーズン終了までブルージェイズの管理下に置かれているためだ。
今後、市場価値が上昇することを考えると、早めに長期契約を成立させておいた方が安く済むが、ブルージェイズは他に資金を掛けるべきところがあると判断しているようだ。
実際、2021年シーズンオフにホセ・ベリオス投手と7年総額1億3100万ドル、ケビン・ゴーズマン投手と5年総額1億1000万ドルで契約を結んだ。
契約延長の可能性は?
では、ブルージェイズはゲレーロJrと長期契約を結ぶ気がないのか。
答えは”NO”だ。
ブルージェイズは、カナダ国籍を持つゲレーロJrをフランチャイズプレイヤーとして育て、チーム力向上かつファン獲得を目論んでいるはずだ。
そして、現在のブルージェイズはゲレーロJrの他にボー・ビシェット遊撃手など有望な若手が台頭しており、MLB界隈では「数年後、ブルージェイズがワールドシリーズを制覇するだろう」との声が上がっている。
そこで、1993年以来のワールドシリーズ制覇を達成するためにはゲレーロJrの存在は不可欠だ。
したがって、ブルージェイズはゲレーロJrと長期契約を結ぶ可能性が高いと言える。
ただ、契約交渉の最も大きな争点となるのはやはりお金についてでしょう。
契約金はいくらになる?
ブルージェイズとゲレーロJrとの契約交渉の際、最も議論されるであろうポイントはお金についてだ。
そこで、ゲレーロJrが長期契約を結ぶ際の参考となるのが、タティスJrがパドレスと結んだ14年総額3億4000万ドルという数字だ。
当然、ゲレーロJrとしてはこれ以上の大型契約を望むだろうが、ブルージェイズはこれ以上の条件を提示するのだろうか。
ひとつの参考として、Spotracが予測したゲレーロJrの市場価値は、13年総額4億4100万ドルでシーズンあたりに換算すると3390万ドルである。
ただ、ブルージェイズはゲレーロJrと大型契約を結ぶうえで、注意すべきことがある
不安材料もある
ブルージェイズがゲレーロJrと長期契約を結ぶうえで注意すべき点、それは急激な成績低下である。
ゲレーロJrのように20代のころ体格を生かした打撃をしていたパワーヒッターは、30歳を過ぎた途端に急速に成績を落としていくことが多々ある。
近年で言うと、アルバート・プホルスやミゲル・カブレラである。
彼らは言わずと知れた強打者であるが、30歳を過ぎた頃から徐々に成績を落としていき、35歳手前に差し掛かるとさらに状況が悪化し、高額な年俸に見合わない不良債権となっていった。
このような例が多々あるため、長くても10年ほどの契約に留めたほうがいいだろう。
アルバート・プホルスの移籍先予想はこちらから
結論
今後、ブルージェイズを常勝軍団にしたいのであれば、ゲレーロJrと長期契約を結ぶべきである。
ただ、30歳を超えて成績を落とす可能性があるため、長くても10年ほどの契約に留め、それ以降は数年単位で契約更新していく方が理にかなっていると思う。
今後、どのように契約交渉が行われていくのか注目だ。