2021年シーズンオフにFAとなった鈴木誠也は、MLB挑戦を表明したが、ロックアウトに突入した影響で未だ移籍先が決まっていない。
ただ、日本プロ野球で残した実績を評価しているMLB球団は多く、ロックアウト終了後は急速に契約交渉が進行しそうだ。
そこで、この記事では鈴木誠也の移籍先として噂されている球団を紹介しつつ、その球団に適合できるのか考察する。
鈴木誠也の海外評価
まず初めに、鈴木誠也が日本プロ野球で残した成績を見ていく。
鈴木は日本で打率.315・937安打・182本塁打・出塁率.414という通算成績を残しており、言わずと知れた日本のトップ選手だ。
また、外野手としてゴールデングラブ賞を5回受賞しており、守備面でもチームに貢献できる。
そして最も評価されるべきは、コンスタントに成績を残せる点だ。なかなか調子が上がらないシーズンでも、最終的には成績を高水準まで上げてくる。
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では、MLB球団からはどのように評価されているのか。
まず、鈴木が高く評価されている点は、右の強打者かつ外野の守備力が高い点だ。
2021年シーズンオフは長打力を打てる外野手を求める球団が多いが、FA市場には打撃か守備かに偏った選手が多いため、鈴木は貴重な存在と言える。
また、FA市場には外野を守れる右の強打者は限られているため、長打力を打てる右打者を求める球団にとって、鈴木は魅力的な選手と言える。
一方、鈴木に対して懐疑的な見方もある。
その最たる例は、日本で活躍できでもMLBで活躍出来るわけではないという見方だ。
特に右打者としてMLBで活躍した日本人選手は少なく、日本人選手をあまり評価していない球団もある。
また、ロックアウトの長期化によりスプリングトレーリングが短縮されたため、MLBの投手に慣れる機会を失ってしまった。
したがって、MLBでの実績があるクリス・ブライアントやニック・カステヤノスを最優先ターゲットにシフトした球団が増えた。
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移籍先を考察
鈴木誠也の移籍先として多数の球団の噂が挙がっているが、この記事では5つの球団に絞って考察していく。
シアトル・マリナーズ
1つ目の球団はシアトル・マリナーズだ。
マリナーズはプレーオフ進出に向けて積極的に補強しているが、最優先補強ポイントである右の強打者は未だ獲得していない。
現時点では、ブライアントの獲得を目論んでいるようだが、契約交渉が難航すればターゲットを鈴木にシフトする可能性がある。
マリナーズの外野は右翼手のミッチ・ハニガーのみ定まっているが、レフトとセンターは明確に定まっていない為、鈴木がスタメンで出場できる可能性は高い。
ボストン・レッドソックス
2つ目の球団はボストン・レッドソックスだ。
レッドソックスは鈴木を高く評価している球団のひとつで、ロックアウト前は実際に鈴木と交渉があった。
レッドソックスはオフにハンター・レンフロー右翼手を放出し、ジャッキー・ブラッドリーJrを獲得したが、プレーオフを勝ち進むにはやや物足りない。
そこで、長打力があり守備力もある鈴木はプレーオフを勝ち進むための重要なピースになり得る。
シーズン序盤は苦労するだろうが、長期的な視点で見ると、鈴木はレッドソックスの正右翼手になれる可能性は十分ある。
トロント・ブルージェイズ
3つ目の球団はトロント・ブルージェイズだ。
ブルージェイズは、ブラディミール・ゲレーロJrやボー・ビシェットといった若手選手の台頭が著しく、数年後にワールドシリーズを制覇するのではないかと言われている。
FA選手としては若い27歳の鈴木に対し、ブルージェイズからの評価は高く、ワールドシリーズ制覇に向けた重要なピースとして期待している。
現時点ではランダル・グリチャックを正右翼手に据えているが、鈴木を獲得すれば、ルルデス・グリエルJr、ジョージ・スプリンガーと共に強力な外野手トリオを形成できる。
サンフランシスコ・ジャイアンツ
4つ目の球団はサンフランシスコ・ジャイアンツだ。
ジャイアンツは、バスター・ポージーとクリス・ブライアントを失ったため、右の強打者を必要としている。
加えて、2022年シーズンに向けて外野手を固定できていないため、守備力にも定評がある外野手を求めている。
その点で、右打者であり守備力も高い鈴木は適した選手と言えるが、ジャイアンツは即戦力として期待できるブライアントとの再契約に動く可能性が高い。
フィラデルフィア・フィリーズ
5つ目の球団はフィラデルフィア・フィリーズだ。
フィリーズは打撃の中心となるブライス・ハーパーをサポートできる強打者を求めている。
加えて、守備力が高い外野手も求めているため、鈴木は最適な選手と言えるだろう。
ただ、現時点ではブライアントやカステヤノスの方が評価されているため、鈴木が移籍する可能性は低い。
また、フィリーズはMLB随一の熱狂的なファンを擁しているため、初のメジャー挑戦となる鈴木にとって精神的ストレスが大きそうだ。
秋山翔吾が2022年シーズン活躍できるかこちらの記事で考察してます。
まとめ
以上より、レッドソックスとブルージェイズが移籍先として最も可能性が高く、鈴木に適した球団ではないだろうか。
また、鈴木は5年総額5500万ドル近くを希望しているため、長期的な視点を持っている球団への移籍が良い。
その点で、鈴木の移籍先としてブルージェイズは最適な球団と言える。
鈴木の今後の動向に注目だ。