2022年シーズン開幕に先駆け、全30球団の戦いを展望するこの企画。
今回は「サンディエゴ・パドレス」をご紹介。
投手
パドレスの先発ローテーションは、ダルビッシュ有、ジョー・マスグローブ、ブレイク・スネルが3本柱として期待されており、そこにクリス・パダック、マイク・クレビンジャー、ニック・マルティネスが加わる形となっている。
特に、ダルビッシュ有は経験と実績が頭ひとつ抜けており、エースとして期待されている。
ただ、想定されている先発ローテーションの中で、昨シーズン二桁勝利したのはマスグローブだけというのが心配だ。ダルビッシュ有やスネルは共に実績がある投手だが、全盛期が過ぎたのではないかという指摘もある。パドレスがポストシーズン進出するためには、先発3本柱がそれぞれ二桁勝利する必要があるだろう。
中継ぎはティム・ヒルとアースティン・アダムスが中心になると予想しているが、未だ絶対的な存在にはなり切れていない。クローザーへつなぐ大事なポジションとして、もう一段階の覚醒が求められる。
そして、パドレス投手陣で最も深刻なのはクローザーについてだ。
昨年、39セーブを挙げ最多セーブ投手となったマーク・メランソンがダイヤモンドバックスへ移籍したため、代役が必要となった。本来であれば、他球団から新たなクローザーを獲得できればよかったが、それは叶わなかった。現時点では、ピアース・ジョンソンがクローザー候補で、チーム構成を考えると最も適任だ。
パドレスの投手陣は、ポストシーズンに進出するチームとしてはやや物足りない。特に中継ぎ投手が心配なので、ダルビッシュ有やスネルなど先発投手がより一層頑張る必要がありそうだ。
〇ダルビッシュ有(35歳)昨年成績:30試合・8勝11敗・防御率4.22
〇ジョー・マスグローブ(29歳)昨年成績:32試合・11勝9敗・防御率3.18
〇ブレイク・スネル(29歳)昨年成績:27試合・7勝6敗・防御率4.20
▶ダルビッシュ有は2022年シーズン活躍できる?体力衰えなど…
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— San Diego Padres (@Padres) March 11, 2022
野手
パドレスの野手はタティスJrとマニー・マチャドが中心になる。
ただ、タティスJrが手首を骨折したため、復帰は6月頃になるようだ。代役としてキム・ハソンやCJエイブラムスが遊撃手に入るはずだが、やはりタティスJrに比べると物足りなさを感じてしまう。
また、外野手についても不安だ。現時点で、ジュリクソン・プロファー、トレント・グリシャム、ウィル・メイヤーズは鉄板だが、彼らに次ぐ外野手が不足している。そのため、鈴木誠也の獲得に熱心だったが、獲得できなかった。私は、トミー・ファムとの再契約を推しているが、パドレスはあまり前向きではないようだ。いずれにせよ、即戦力となる外野手を獲得しておくべきだろう。
以上を踏まえて、パドレスの予想スタメンはこうだ。
1番(中)トレント・グリシャム
2番(遊)フェルナンド・タティスJr
3番(三)マニー・マチャド
4番(DH)エリック・ホズマー
5番(右)ウィル・メイヤーズ
6番(三)ジェイク・クロネンワース
7番(DH)ルーク・ボイト
8番(捕)オースティン・ノラ
9番(左)ジュリクソン・プロファー
守備位置や打順など若干の変化はあるはずだが、メンバーはほぼ固定されるはずだ。前述の通り、タティスJrが復帰するまではキム・ハソンやCJエイブラムスが入るだろう。
仮にキム・ハソンやエイブラムスがフィットすれば、タティスJrを外野に配置する可能性もある。
また、個人的にルーク・ボイトに注目している。ヤンキースでは出場機会に恵まれなかったが、今シーズンはDHとして多くの出場機会を得られるだろう。ボイトがハマり、タティスJrが戻ってくれば、打線に厚みが増す。
ポストシーズン進出には投手陣の頑張りがカギになると読んでいるが、攻撃ではボイトの活躍がカギになりそうだ。
総括
昨シーズン、パドレスは後半戦で失速しポストシーズン進出を逃したため、「今年こそ」と意気込んでいる選手は多い。パドレスにとって、タティスJrの戦線離脱は大きな誤算だが、CJエイブラムスなど新戦力を試すいい機会となる。
また、今シーズンから指揮を執るボブ・メルビン監督にも注目だ。最優秀監督賞3回の名将はチームにどのような変化をもたらすのだろうか。
現時点で完璧とは言えないチームだが、ポテンシャルが高い選手が多いため、ポストシーズン進出に期待が持てる。