デレク・ジーター氏がマイアミ・マーリンズのCEOを辞任すると正式に発表された。
「本日、私(ジーター)とマイアミ・マーリンズとの関係は終了しました。今後、マーリンズのCEOそして株主としての役割を果たすことはありません。」
「私たちは5年前にマーリンズの状況を好転させるためのビジョンを持っていました。
(中略)
ハードワーク、信頼、責任を通じて、フランチャイズの労働力の再編成や成功するための長期的プランの策定など、あらゆる面の改革に努めてきました。
ただ、フランチャイズの将来のビジョンは、私が契約書にサインした時のものと異なっています。」
(中略)
「素晴らしいスタッフ、ファン、選手、そしてマーリンズのコミュニティに感謝します。」
ジーターの球団経営
ジーターがマーリンズのCEOに就任したのは2017年9月。
ブルース・ジャーマンの筆頭グループがマーリンズを買収した際、ジーターは4%の株式を取得し、共同オーナー兼CEOとしてマーリンズの球団経営に携わることになった。
マーリンズはこれまでチームの主力選手を大量に放出するなど、球団の利益優先という経営方針を取っており、ファンから反感を買っていた。
ただ、MLB屈指の人気選手であったジーターがCEOに就任するということで、球団の体質が変わるのではないかと期待されたが、結果的に変えることが出来なかった。
ジーターはCEO就任後すぐに、クリスチャン・イエリッチ、ジャンカルロ・スタントン、ディー・ゴードン、マーセル・オズナという主力選手を一斉に放出するなど、これまでの球団経営をそのまま踏襲する形となった。
野球に対する支出額はMLB27位の6,100万ドルであり、支出削減の方針を貫いている。
ジーターがCEOに就任して以降の成績は、63勝98敗(2018年)、57勝105敗(2019年)、31勝29敗(2020)、67勝95敗(2021)であり、期待通りの成績を収められなかった。
一方、ジーターはMLB初の黒人オーナーであり、2020年にMLB初となる女性のGMを雇用するなど改革も行ってきた。
ジーターが球団経営に携わった4年間は、野球に関する成績を伸ばすことはできなかったが、労働環境の改革という意味では少なからず球団に貢献したのではないだろう。
CEO辞任に対する反応
ジーターの突然のCEO辞任について、様々な反応がある。
あるマーリンズの選手は、「ジーター氏は最高の指導者かつリーダーであった」とコメントしている。
また、タンパベイ・レイズ、ピッツバーグ・パイレーツ、マイアミ・マーリンズは収益分配金を適切に給与に反映していないとの苦情を受けており、健全な球団経営を求める声が上がっている。
発表された声明には「お互いの合意の上での決断」と綴られており、ケンカ別れではないことを強調しているが、ジーターとマーリンズとの契約は今年後半まで切れる予定ではなかった為、球団内部で何かあったのではないかとの憶測もある。
ジーターの今後について
ジーターがマーリンズのCEOを辞任したことで、ジーターの今後の動向に注目が集まっている。
コーチや監督などユニフォーム姿のジーターを見たいファンも多いだろうが、かつてのインタビューで指導者業に興味がないことを明言している。
では、再びフロント業に携わるのか。
ジーターの今後についてまだ不明なところが多いので、今後の動向に注目だ。