MLBがまだロックアウトに突入する前、ビッグニュースが飛び込んできた。
テキサス・レンジャーズがコーリー・シーガー遊撃手と10年総額3億2500万ドルという大型契約を結んだのだ。
シーガーのレンジャーズ移籍を予想していた米メディアはほどんどなく、大きな衝撃を与えた。
そこで、この記事では米メディアの反応に触れつつ、シーガーがレンジャーズで活躍できるのか考察する。
MLB遊撃手で歴代3位
まずは初めにシーガーについてザっと紹介する。
シーガーがMLBデビューしたの2015年9月。
2016年からは遊撃手としてレギュラーに定着し、157試合出場で打率.308、193安打、26本塁打という驚異的な記録を残し、満票で新人王を受賞した。さらに、MVP投票では3位にランクインした。
シーガーがMLBのキャリアで最も輝いたのは、2020年のポストシーズンだ。
アトランタ・ブレーブスとのリーグチャンピオンシップでは、7試合で打率.310、5本塁打、1.230OPSという成績を残しMVPを受賞。
続くタンパベイ・レイズとのワールドシリーズでも、6試合で打率.400、2本塁打、1.256OPSという成績を残しMVPを受賞。
2020年にドジャースがワールドシリーズを制覇できたのは、シーガーのおかげと言っても過言ではない。
また、シーガーの通算OPS(.870)は、遊撃手としてはアレックス・ロドリゲス(.930)、ノマー・ガルシアパーラ(.882)に次ぐMLB3位という素晴らしい数字である。
一方、あえて懸念点を挙げるとすれば、怪我が多いことだ。
慢性的な腰痛やトミー・ジョン手術を受けた右肘など、不安を抱えている箇所がある。
また、死球による骨折など意図しない怪我での戦線離脱が多々ある。
ただ、シーガーのケガについては多くの米メディアが指摘している事であり、怪我の多さを考慮しても良い選手であることは間違いない。
レンジャーズ移籍について
では、ドジャースのスター選手であったシーガーのレンジャーズ移籍は、アメリカでどのように受け入れられていたのでしょうか。
ドジャース側の見解
ドジャースはムーキー・ベッツを筆頭に高年俸の選手が多数在籍しており、財政が圧迫していることは明らかだった。
加えて、昨シーズン途中にワシントン・ナショナルズからトレイ・ターナー遊撃手を獲得したため、シーガーの移籍は既定路線だろうと見られていた。
ただ、米メディアでは「実はドジャースはシーガーを放出したくなかった」のではないかという見解も出ている。
なぜなら、ドジャースはシーガーのレンジャーズ移籍が成立した途端、遊撃手のFA市場に参入し始めたからだ。
つまり、シーガーとの契約延長がかなわなかった為、やむなく後任を見つけ始めたのだ。
ドジャースとしてはターナーがいるとはいえ、コーリーが抜けた穴は大きいだろう。
レンジャーズ側の見解
一方、レンジャーズ側はどのように受け止めているのか。
それは、言うまでもなく大歓迎である。
レンジャーズは2年連続でア・リーグ西地区の最下位であり、チーム再建が急務となっている。
こうしたチーム状況において、移籍してきたシーガーとマーカス・セミエンに対する期待度は計り知れない。
おそらく、シーガーとセミエンの二遊間はMLB最強であり、多くのファンを魅了することになるだろう。
また、レンジャーズファンもシーガー加入を好意的に受け止めている。
2020年ポストシーズンは、レンジャーズの本拠地「グローブライフ・フィールド」で開催されていた為、シーガーの活躍は多くのレンジャーズファンの心に刻まれている。
ベリンジャーは復活できるのか考察⇒こちらの記事
レンジャーズで活躍できる?
レンジャーズはチーム再建の柱としてシーガーに期待しており、数年後のプレーオフ進出を目指している。
では、シーガーは期待通りの活躍ができるのか。
答えは「Yes」だ。
活躍出来る理由
理由は2つある。
1つ目は年齢についてだ。
シーガーは今年で28歳になるが、選手としてまだまだ伸びしろがあり、今後さらなる成長を期待できる。30代半ばに差し掛かり守備範囲が狭くなった場合は、3塁手へコンバートすることもできる。
2つ目は監督についてだ。
レンジャーズのクリス・ウッドウォード監督は、2016年から2018年までドジャースのコーチを務めており、シーガーとの関係がある。
したがって、それほど障壁を感じることなく、レンジャーズの組織に加わることが出来るだろう。
新たなリーグ、新たなチームでプレーするシーガーにとって、ウッドウォード監督の存在は大きいだろう。
懸念材料
一方、レンジャーズでプレーするにあたって懸念すべき点もある。
1つ目は怪我だ。
怪我については前述したためここでは詳しく述べないが、怪我以外でシーガーが大幅に成績を落とすことは考えにくい。
2つ目はレンジャーズの組織が整備されていない点だ。
現在のレンジャーズは若い選手が多く、チームとしての完成度が低いため、チームの悪い流れに引っ張られないか心配だ。
その点で、経験と実績があるセミエンが同時に加入したことは大きい。
噂ではクレイトン・カーショウがレンジャーズに移籍するのではないかと言われているか、仮にカーショウが移籍してくれば、投手陣の構築にも役立つだろう。
現役引退すら噂されているカーショウの移籍先についてはこちらの記事で考察している。
まとめ
シーガーはレンジャーズでも活躍できるだろうが、唯一ケガには注意してほしい。
シーガーが加入したことでレンジャーズがどのように変化するか注目していきたい。