2019年にMVPを受賞したベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)が苦しんでいる。
2021年はシーズンオフに肩の手術を受けた影響で本来のバッティングが出来ず、打率.165まで落ち込んだ。
この記事では、ベリンジャーは2022年復活できるのか考察する。
輝かしい実績
ベリンジャーは2017年にメジャーデビューし、新人ながら39本塁打を放ち満票で新人王を獲得した。
2018年は162試合に出場し、打率.260、145安打、25本塁打という成績を残した。
最も輝いていたのは2019年だ。
156試合に出場し、打率.305、170安打、47本塁打、1.035OPSという圧倒的な成績を残し、MVPを受賞。
ベリンジャーは豪快なスイングで多くのファンを魅了しており、MLB屈指の人気選手である。
まだ26歳という若さゆえ、今後10年間はMLBを引っ張っていく打者になるだろうと期待されていた。
ただ、大活躍した2019年以降、急速に成績を落とし始めた。
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成績を落とした理由
ではなぜ、これほど成績を落としてしまったのだろうか。
最も大きな要因とされているのは、右肩の手術だ。
ベリンジャーの最高打球速度を比較すると、2019年は110.6マイルであるのに対し、2021年は107.4マイルに落ちている。
また、バレル率を比較すると、2019年は13%であるのに対し、2021年は7.1%にまで落ちている。
※バレル・・・長打を打てる打球速度と打球角度の最適な組み合わせ。打球速度が98マイルの場合、打球角度は26~30度。打球速度が速くなるにつれて、長打になりやすい打球角度の範囲が大きくなる。
以上のデータより、MVPを受賞した2019年に比べて、力強いスイングが出来ていないことが分かる。打撃成績の低下を右肩の手術だけで片づけてしまうのは軽薄であるが、これほど極度の不振に陥るのはやや不自然であり、怪我と関連付けせざるを得ない。
加えて、成績不振の原因を探るため、別のデータも見ていく。
ボールと判定される球を打者がスインズした確率を表す「チェイスレート」を比較すると、2019年は23.7%であるのに対し、2021年は30.7%である。
つまり、2021年の方がボール球に手を出しやすくなっている。
ベリンジャーはまだ26歳であり動体視力が極端に落ちると考えにくいため、打撃不振に対する焦りからボール球に手を出してしまっているのと考えられる。
このように、データ的にもベリンジャーの成績低下は明らかであるが、2022年に向けてベリンジャーを好意的に期待している人も少なくない。
2022年への期待
2022年のベリンジャーに期待する人の多くは、ポストシーズンの好調ぶりを話題に挙げている。
前述の通り、昨年のベリンジャーは打率.165と低迷していたが、ポストシーズンではレギュラーシーズンの絶不調を感じさせないパフォーマンスを見せた。
ポストシーズンでは29打数で12安打、1本塁打、打率.414という成績を残し、ドジャース選手たちの調子がなかなか上がらない中、ひとり気を吐いていた。
チームは負けてしまったが、ベリンジャーにとっては2022年シーズンに向けて良い感触を掴めたであろう。
もうひとつベリンジャーにとって大きな出来事は、愛する子どもが誕生したことだ。
守るべき存在が出来たことで、より一層プレーに気持ちがこもるであろう。
一方、懸念すべき点はやはり怪我についてだ。
昨年は肩だけでなく、腓骨の骨折やハムストリングスの負傷など怪我が続いてしまっていたので、今年は注意が必要だ。
そして、肩の状態がどこまで戻っているのか注目だ。
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まとめ
MVPを受賞した2019年以降、極度の打撃不振に陥り多くの人を落胆させたが、意外にも2022年に向けてベリンジャーに期待する人はいる。
ベリンジャーの豪快なスイング、そして本塁打を期待するファンは多いため、復活を果たせるのか見届けたい。